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- ● NISAは投資に対しての、つみたてNISAは長期の積立を支援する非課税制度、iDeCoは私的年金積立を支援する制度
- ● それぞれにメリット・デメリットあり

「老後2000万円問題」が話題になり、個人で投資や積立をする方が増えてきているという印象です。では老後や今後のために、どのようにして資産を形成・運用していくのがよいのでしょうか?
そんな悩みを解消するために、少額からの個人投資を支援する非課税制度「NISA(ニーサ)」や、「つみたてNISA(積立NISA)」に加え、「iDeCo(イデコ)」とよばれる個人型確定拠出年金が注目を浴びています。
それぞれどのような制度なのか、どういう人を対象にしているのか、今回は「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」を徹底比較し、それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。
NISA,つみたてNISA,iDeCoの違いは?
まずは、それぞれの制度の違いを比較してみましょう。NISA、つみたてNISA、iDeCoでは運用方法の他、非課税枠・期間・購入できる対象商品などが異なります。
「NISA」,「つみたてNISA」,「iDeCo」比較 | |||
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NISA | つみたてNISA | iDeCo | |
運用方法 | 通常買付・積立投資 | 積立投資 | 積立投資 |
対象者 | 国内居住の20歳以上 | 国内居住の20歳以上60歳未満 | |
非課税投資枠(年間) | 120万円 | 40万円 | 14.4万円~81.6万円(加入条件によって異なります) |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長20年間 | 70歳まで(新規投資開始は60歳まで) |
投資対象商品 | 上場株式(ETF・REIT含む)・投資信託 | 金融庁により定められた基準を満たした投資信託 | 投資信託・定期預金・保険 |
口座開設期間 | 2023年まで(2024年以降は新NISA) | 2042年まで | 60歳まで |
保有口座数 | どちらか1口座のみ | 1口座のみ | |
資産引き出し(解約) | いつでも引き出し可能 | 原則60歳まで引き出し不可 | |
金融機関の変更 | 年に一度のみ変更可 | 変更可 |
NISA、つみたてNISA、iDeCoとは?それぞれのメリット・デメリット
NISA(ニーサ)とは?メリット・デメリット
NISA口座は、2014年にスタートした少額投資非課税制度と呼ばれる制度。通常の証券口座では、株取引などを行い、利益が出た場合おおよそ20%が税金として課税されます。しかし、それをNISA口座で取引を行うと、課税の対象外になる、という制度です。
NISA口座では年間120万円まで、最長5年間が非課税となります。また購入できる商品は、国内株式(ETF・REIT含む)・外国株式(海外ETF)・投資信託などで、FXや債券、金などは対象外となります。
NISAは投資に対する非課税制度として理解しておけば問題ないと思います。
- ■ NISAのメリット
- ・最長5年、年間120万までが非課税
- ・現物株式、投資信託が購入対象
- ■ NISAのデメリット
- ・通常の株式口座との損益通算ができない
- ・代用有価証券に利用できない
- ・配当は「株式数比例配分方式」で無いと課税対象になる
NISAは、2024年以降「新NISA」として制度変更が行われる事が決定しています。新NISAについて、詳しくは新NISA(ニーサ)とは?一般NISA・つみたてNISAとの違いや変更点を解説!をご覧ください。
つみたてNISA(積立NISA)とは?メリット・デメリット
2018年よりスタートした長期積立・分散投資を支援する「つみたてNISA(積立NISA)」。つみたてNISAも通常の一般NISAと同じく、非課税対象となる口座ですが購入できる商品が、金融庁が定めた基準を満たす投資信託のみとなります。証券会社ごとに取扱の銘柄数も異なりますので、要注意です。
また年間40万円まで、最長20年間が非課税対象枠となっており、いつでも保有投信の売却が可能です。
つみたてNISAは、長期の積立投資に対する非課税制度と理解しておきましょう。
- ■ つみたてNISAのメリット
- ・最長20年、年間40万までが非課税
- ・金融庁選定の投資信託なので、質の高い投資信託から選択可能
- ・いつでも売却可能
- ■ つみたてNISAのデメリット
- ・NISAと同じく、損益通算ができない
- ・ロールオーバーができない
- ・対象商品が投資信託のみ
iDeCo(イデコ)とは?メリット・デメリット
個人型確定拠出年金、通称「iDeCo(イデコ)」とは、公的年金とは別に、自分で年金として積立投資を支援する私的年金制度です。iDeCoは20歳以上60歳未満の方が加入でき、iDeCoでの運用利益は非課税、さらに掛金が全額所得控除となります。
購入できる運用商品としては、元本確保型である定期預金・保険と、投資信託が対象となっています。
iDeCoは年金としての長期積立を支援する制度です。したがって、原則60歳までは保有商品の売却、つまり資産の引き出しができませんのでご注意ください。
- ■ iDeCoのメリット
- ・運用益だけでなく、掛金も全額非課税対象=住民税・所得税が軽減
- ・受け取り時も「退職者控除」「公的年金等控除」ができる
- ■ iDeCoのデメリット
- ・あくまでも「年金」なので、原則60歳以上までは解約・資金の引き出しができない
また、iDeCoは20歳以上60歳未満ならほとんどがの方が加入できますが、雇用条件によって拠出限度額が変わってきますのでご注意ください。
比較のポイント
NISAは株式や投信での投資に対する非課税制度、つみたてNISA・iDeCoは長期積立に対する非課税制度となっています。
長期の積立としては住民税・所得税も控除されるiDeCoがおすすめですが、60歳まで資金を引き出せないのが唯一のデメリットだと思います。冠婚葬祭や急病など、急なお金が必要になった時に、余分な貯蓄がないと困ってしまうかもしれません。そういう方には、いつでも引き出しができるつみたてNISAの方をおすすめします。
無理なく、自分の資産・スタイルにあわせて、これらの制度を利用しましょう。
ネット証券の口座状況で比較
最後に、各ネット証券のNISA、つみたてNISA、iDeCo口座状況の比較です。業者によって、すべてのサービスを行っているところと、そうでないところがあります。
それぞれの証券会社でのサービス状況比較は以下で紹介していますので、口座開設の際に、ぜひ参考にしてみてください。