ミニ株のデメリットとは?ミニ株向き銘柄の探し方を解説!
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ミニ株(単元未満株)とは1株から買える株式投資の事で 最近ではミニ株特化の証券会社も増えてきているほど 初心者に人気の少額投資方法です 。
では、ミニ株投資では どういった銘柄 を買えばいいのでしょうか?
このページでは ミニ株のメリット・デメリットの面から考える ミニ株向きの銘柄の選び方 を紹介していきます。
ミニ株向きの銘柄とは?
まずはミニ株のメリット・デメリットをおさらいしましょう。
ミニ株のメリット
- ・少額で投資ができる=コストを抑えて株知識を身につけられる
- ・少しの資金で分散して投資ができる
ミニ株のデメリット
ミニ株は少額からでも可能な投資方法です。一万円以内からでも株取引ができる・
少額資金でも いくつかの企業に分散投資できる という点が魅力で、初心者に人気の取引です。 ※参照:ミニ株とは?
しかし、ミニ株は約定タイミングがそれぞれの証券で決められており、リアルタイムで売買できない というデメリットが存在します。
リアルタイムで取引ができないという事は デイトレードやスイングトレードのような短期間の価格で売買をする取引には向いていないという事に繋がってしまいます。
※ライン証券では銘柄数が限られていますが リアルタイム売買が可能
また、何度も売買を行っていれば 利益に対しての手数料も割高になってしまうという事も挙げられます。
ミニ株は中長期向きの銘柄で利益を狙う
つまりミニ株投資では 短期売買で利益を狙うのではなく 中期~長期の保有で 売買差益(キャピタルゲイン)を狙う という運用方法が向いていることになります。
更にミニ株は単元株と同じように 「配当」も得ることができるうえ、 買い足していき 100株になれば単元株として扱えるようになることも 長期運用のメリットの一つです。
日々の価格変動が大きい銘柄でなく、長い目で見て 将来的に成長する銘柄 を見つけることに注目しましょう。
このような銘柄を探すのに役に立つのが 企業分析 です。
ミニ株では ついつい 安く買えるから という理由だけで有名企業を選んでしまいがちです。ミニ株でうまく儲けるには
ネームバリューなどで銘柄を選ぶのではなく、一歩踏み込んで 企業分析からデータを使って ミニ株向きの銘柄を探してみましょう!
数字やデータに基づいて分析を行う事で 本当にいい銘柄なのか 裏付けを取ることもできます。ミニ株から投資を始めた方は、初心者から中級者へのステップアップになるはずです。
中長期向きの銘柄の探し方
では 中長期向きの銘柄 とは どのような銘柄になるのでしょうか?
それは 「成長性」のある銘柄 と 「割安」な銘柄 です。
このような銘柄の探し方としては、チャートをみて 投資家の動き・株価の動きを予測する「 テクニカル分析 」ではなく、企業の業績が 長い目で見て今後どう動くのか 企業価値を見極める「 ファンダメンタルズ分析 」 が重要となってきます。
企業の業績推移や さまざまな経営指標を使って分析を行うのが この分析方法です。
各証券会社によるスクリーニングツール(銘柄検索機能)を使用することで 業績や四季報で企業の財務状況 を知ることができます。
では、ファンダメンタルズ分析に基づいた具体的な銘柄の探し方をみていきましょう。企業業績の見方がわからなくても、ここを抑えておけばよい というポイントを加えて 期待銘柄を探す方法を紹介していきます。
成長性のある銘柄を探す
まず、中長期向き銘柄として挙げられるのは 「グロース株(成長株)」とよばれる、その名の通り 今後大きく成長が見込める銘柄 です。
つまり 企業の将来性=株価の上昇を見越した株で 利益を狙う投資方法になります。
グロース株として 今後の成長を判断する箇所は 企業の業績状態 がポイントです。
業績で成長株を判断する
まずは 四季報などで過去の業績を確認し、売上高や営業利益・経常利益 が伸びているのかに注目しましょう。
過去3~5年で業績がどれぐらい上がっているのか、また四季報では業績予想も確認できます。
業績が上がり続け 売上高の成長比率が5%~10%以上 の企業銘柄は 「成長株」 として認識していいでしょう。
※2020年はコロナ禍の影響もあり、一方的に右肩上がりの業績 という銘柄は中々難しいと思いますが・・・
ROEで成長株を判断する
また、成長株の判断は単なる売上・利益高だけでなく ROE もその指標の一つとして捉えることができます。
ROEとは
- ROE(自己資本利益率)とは、 自己資本に対しての利益率 の事。
企業の資産(株主からの出資資金など)で どれだけの利益をあげているか という指標。
- ROE(自己資本利益率)= 当期純利益÷自己資本 で求めることができる。
ROEが高い という事は 投資家からの投資資金で効率的に利益を上げている証拠で、 つまり 経営効率がいい=成長性がある という事に繋がります。
下記は2007年から2018年の 日本と米国の上場企業のROE平均推移です。
日本株では5~8%程度が平均なので、ROE10%以上あれば高ROE企業と判断できます。
※ただしROEは 他人資本(借金・負債)を含まない利益率のため 高ROEが必ずしも優良銘柄とは限りません。
ROEは自分で計算して求める必要はなく、四季報に掲載されています。
割安な銘柄を探す
中長期向きの銘柄としては、「バリュー株(割安株)」も その一つとして挙げられます。
バリュー株とは、 企業価値(業績)と比較して株価が割安な銘柄 という意味です。
悪い企業ではないのに、株価が見合っていない・釣り合っておらず「いつか見直される=今後株価が上昇する」として期待される銘柄で、長期で値上がりを待つにはおすすめの銘柄です。
現在の株価が 割安なのか、割高なのかは PER ・ PBR という指標を使って判断することができます。
PERで割安株を判断する
PERとは、株価収益率の事で 「今の純利益なら◯年で 時価総額 (株価 × 発行株数)分 を回収できる」 = 「時価総額分を稼ぐには 今の純利益を◯年続ける 必要がある」 という事がわかる指標です。
PERは 時価総額÷当期純利益 の計算で求めることができます。
PER17倍なら「17年」、 PER15倍なら「15年」で 時価総額分の純利益が稼げる と言う意味になります。
つまり、PERが低ければ 今の株価は割安 と判断できます。
日本企業の場合 PERの平均は15倍と言われるので 15倍より低いかを判断基準としましょう。
※参照:PER ( 株価収益率 ) とは?PERをわかりやすく説明
PBRで割安株を判断する
PBR(株価純資産倍率)は、企業の「現在価値」と「株価」の関係がわかる指標の事で、株価÷1株あたりの純資産 で割り出されます。
つまり PBRでは、現在の株価が1株当たりの純資産の何倍にあたるか がわかります。
具体的に説明します。
例1: 例えば 株価1,000円に対して 1株当たりの資産が500円の銘柄があったとします。
この場合 PBR = 1000 ÷ 500 = 2倍で、
1株あたりの純資産に対して、2倍の株価で株が買われている、つまり 割高 という判断ができます。
例2: 対して 株価が1,000円で 1株当たりの資産が1,500円の銘柄では
PBR = 1000 ÷ 1,500 = 約0.6倍 つまり
1株あたりの資産に対して 0.6倍の株価で株が買われている、つまり 割安 となります。
超簡潔に解説すると、
例1の場合:500円の価値のものに対して 1,000円の値段がつけられている (PBR 2倍)= 割高
例2の場合:1500円の価値のものに対して 1,000円の値段がつけられている (PRR 0.6倍)= 割安
という判断ができる という事です。
1,000円の価値のものに1,000円の値段がついている状態が適正価格であるため、つまりPBR1倍を判断基準として見ることができます。
ただし PBRが低ければ低いほどいいというわけではない ので、注意が必要です。※詳しくはPBR(株価純資産倍率)とは?PBRをわかりやすく説明をご覧ください。
割安の理由もチェック!
PER・PBRで 割安株と判断できた場合は なぜ今 割安なのか もチェックしておきましょう。
単純な業績悪化で割安な場合は、そのまま悪化が続くのか・それとも新ビジネスなどで利益を狙っている途中なのか や、 企業の事故や不祥事などで業績悪化の場合は その影響が今後も続くのか・一時的なものなのか など 企業情報やニュースをみて判断する必要があります。
割安株を選ぶ際は あくまでも いつか企業の価値が見直される=株価が好転する時が来る という事を念頭に置くべきです。また、「PERだけ」もしくは「PBRだけ」など 一つのデータだけでなく 複数のデータを併せて判断基準としましょう。
ファンダメンタルズ分析でミニ株向き銘柄を探す
ミニ株向きの銘柄まとめ
- ・成長株・割安株など中長期で値上がりする銘柄
- ・成長株は 業績 , ROE で判断
- ・割安株は PER , PBR で判断 (※ただし割安の理由も確認しておくのが重要)
投資家が既に目をつけている成長株などは 株価が高く 1単元(100株単位)では 気軽に買える価格でなかったりします。
しかし、ミニ株であれば 1株単位で買えるため 少額でも期待銘柄を買える というのは ミニ株でのメリットですね。
ファンダメンタルズ分析を行って 今後期待できる株を探してみましょう!
ミニ株の扱いがある証券会社を比較
最後に、各証券のミニ株の取扱状況を紹介します。
上記で紹介した 業績やROE・PERなどの指標も確認できる証券会社 はどこでしょうか?
ミニ株は以下の証券会社で取引可能です。加えて、ミニ株銘柄のスクリーニング状況で詳しく比較してみました。(全てスマホ取引で比較しています)
※手数料・約定タイミングなどについては ミニ株(単元未満株)取引ができるネット証券を比較 からご覧ください。
比較のポイント
自分で企業分析するのが苦手な方は 日興フロッギー がおすすめです。
日興フロッギーは、ミニ株・少額投資に特化しており 記事を読んでそのまま株を買えるというサービスを展開し、投資家の分析を参考に銘柄を選ぶことができます。
SBI証券 や マネックス証券 は、ミニ株取引にも力を入れており スマホでも企業分析がかなりしやすい印象です。
自分で企業分析を行いたい!という方には上記の2社をおすすめします。
スマホアプリで分析から取引まで可能な点、単元株での取引でも活躍できる おすすめの証券会社です。
特に SBI証券ではミニ株もNISA口座対象 です。
もちろんスマホアプリでミニ株のNISA口座買付も可能なため、NISA+ミニ株向きの口座としてもおすすめです!
「ミニ株」に関するQ&A
ミニ株とはどんな取引ですか?
ミニ株とは、1株から買付できる株取引 の事です。
通常 株取引では100株単位(単元株)からの取引となります。
そのため、実際の購入価格は【株価×100株(+手数料)】となってしまうため 1銘柄でも高額になってしまいますが、ミニ株であれば1株から取引ができるため 少額からの投資 が可能です。
ただし、どの銘柄でもミニ株で買えるわけではありません。また 証券会社によっても取扱が異なるので注意が必要です。
ミニ株で企業分析は必要ですか?
ミニ株は約定タイミングが証券会社によって決められており(前場or後場の終値など)、リアルタイムでの売買不可 というデメリットがあります。つまりミニ株は デイトレード向きではない という事です。(※LINE証券では可能)
そのため、ミニ株で利益を上げるためには中長期での値上がり益を狙うべきです。
中長期で成長する銘柄を見つけるには、一日の株価の動きではなく 企業の業績をチェックして今後の業績を予想する事が必要になるため、ファンダメンタルズ分析といった企業分析が必須となります。
ミニ株で配当や株主優待は受けられますか?
ミニ株でも配当や株主優待を受けることはできます。
配当は、持ち株に応じて 単元株と同じように受け取ることができます。
優待も受けることが可能ですが 企業によって異なるので注意が必要です。
1株から受けれる企業もあれば、単元株でないと受けれない企業もあります。